金も狙い目かもよ?
2026年6月23日現在、私たちの目の前で歴史的な資本市場のパラダイムシフトが起きています。
日経平均株価が、まさかの73,000円の大台を一時突破しました!(今日は下げていますが。笑)
少し前まで「1989年のバブル期最高値を超えた」と日本中が大騒ぎしていたのが嘘のように、そこからさらに未知の領域へと爆発的な上昇を見せています。市場は今、極めて強い「リスクオン(積極的なリスク選好)」の熱狂に包まれています。
しかし、その狂熱的な株式市場の裏側で、長らく安全資産として君臨してきた「金(ゴールド)」の価格動向に異変が起きています。
1グラム3万円の歴史的な大台を超えたと喜んでいたのも束の間、最近になって23,000円台まで急激な調整下落しています。
株の歴史的暴騰と、金の急落。一見すると全くバラバラの現象に見えるかもしれません。しかし、マクロ経済の視点から紐解くと、実はこの2つの現象は極めて密接に関係しています。
みんなが株の高騰に熱狂し、金の下落にパニックになっている時こそ、冷静に市場の構造を読み解く最大のチャンスです。
本記事では、なぜ株はこれほどまでに強く、そして金は急落してしまったのか。この激動の相場環境において、私たちがどのようなポートフォリオ戦略を構築すべきなのかを、5つのテーマに分けて徹底的に解説していきます。
第1章:日経平均73,000円相場の深層とAIインフラの主役たち
まずは、現在の日本株市場を牽引する日経平均73,000円という水準について考察します。これは単なるバブルの再来なのでしょうか。
結論から言えば、今回の相場は日銀の金融政策決定会合やアメリカのFOMCといった重要イベントを市場が無難に消化した上で、極めて強いモメンタムを持って形成されている「全く新しいサイクル」です。
テクニカル分析の観点から見ても、1989年のバブル最高値(38,915円)から2009年のリーマンショック後の最安値(7,054円)までの下落幅をベースにした「倍返し」の値幅観測(約70,776円)を完全に上抜けています。
過去のデータを完全に凌駕した、未知の領域に突入しています。
プロの投資家たちの目線も依然として強気です。
直近のオプション市場の建玉動向を分析すると、72,000円のコールオプション(買う権利)に約5,800枚もの大きなポジションが集中しており、さらに73,000円やそれ以上の水準にも強気のポジションが積み上がっています。市場参加者はまだ「上を追う展開」を強烈に意識しています。
この相場を力強く牽引している筆頭が、電線・光ファイバー大手のフジクラ(5803)です。同社には現在、信じられないようなドラマが起きています。
世界的なAIデータセンター建設特需を受け、2027年3月期の通期営業利益予想を従来の2,110億円から一気に3,100億円へと大幅に上方修正しました。営業利益率は実に21.2%へ跳ね上がる見通しです。
この圧倒的なポジティブサプライズにより、同社株は連日のストップ高となりました。あまりの買いの強さに、東京証券取引所は制限値幅の拡大措置を実施し、通常の上限の4倍である4,000円に設定しました。これによりストップ高の上限が10,165円となり、市場では「1万円突破か」と大騒ぎになっています。
しかし、ここで注意すべき非常に重要なポイントがあります。
SNSや動画で騒ぎ立ててから株に飛び乗るのは、投資において最も危険な行動だということです。
投資の本質とは「評価が定まる前の割安な段階で先回りしてポジションを仕込むこと」に他なりません。
私自身、約2年前の株価がまだ1,000円前後の段階で、今後のAI社会における光ファイバー網の絶対的な不可欠性を見越し、仕込んでいて、下がると買い増しを続けてきました。
そして今年5月、株価が7,500円付近まで急騰した過熱局面において、市場の上がり過ぎを察知して冷静に一部の利益を確定させています。
さらに特筆すべきはその後です。慎重すぎる会社予想に対して大衆が失望し、投げ売りが発生して株価が一時半値近くまで暴落する「フジクラショック」が起きました。私はその際、市場の売られ過ぎを見極め、4,377円という絶好のタイミングで再度買い増ししました。
その結果、現在の連日ストップ高の熱狂の中において、再エントリー分だけでも既に40%以上の含み益を確保しています。
2年前の分は今日時点では500%を超えています。7500円で一部利確しているので、実際にはもっと利益率は高いです。
平均取得単価1,000円前後の初期ポジションを含めれば、莫大なリターンとなっています。
恐怖の暴落局面で買いに向かい、現在の熱狂で大きな利益を手にする。これこそが投資の醍醐味です。
ただし、連日暴騰している現在の局面においては、これ以上の追随は控え、そろそろ慎重な姿勢にシフトすべきタイミングであると考えています。
第2章:放置されたお宝、構造的バリュー株・トヨタ自動車の潜在価値
(昨日の記事で詳しく解説しています。)
グロース株(成長株)がこれほどまでに盛り上がっていると、「半導体やAI関連銘柄だけを買っていればいいのではないか」と考えがちです。それも一つの戦略ではありますが、中長期的なポートフォリオの安定性を考慮するのであれば、
市場の光が当たっていない「歪み」にこそ注目すべきです。
日経平均が73,000円という歴史的な活況を呈しているにもかかわらず、日本市場の絶対王者であるトヨタ自動車(7203)は株価3,000円を割り込んで低迷しています。なぜ日本を代表する企業がこのような状況にあるのでしょうか。
その理由は明白で、世界の投資資金が特定のAIグロース株に一極集中しており、一時的な需給の悪化によって売られているに過ぎないからです。ファンダメンタルズ(基礎的条件)を冷静に精査すれば、現在の株価がいかに理不尽に放置されているかが理解できます。
現在、1ドル=160円を超える歴史的な円安水準が定着しつつあります。これは日本の自動車業界全体にとって9,000億円以上の利益上振れ要因になると試算されており、国内最大の輸出企業であるトヨタには計り知れない業績恩恵をもたらします。
さらに、昨今の中東情勢などを背景とした原油高も大きな追い風です。世界的にガソリン価格が高騰している結果、消費者の関心は燃費の良い車に集中しています。これにより、トヨタが世界で圧倒的な技術的優位性と競争力を持つハイブリッド車(HEV)の販売台数は、過去最高を更新し続けています。
業績絶好調であるにもかかわらず、現在の予想PER(株価収益率)はわずか約9.4倍に放置されています。
多くの証券アナリストの平均目標株価は3,697円~4,070円に設定されており、現状の株価から実に30%以上の値幅(上値余地)を残している計算になります。
誰もがAI銘柄に夢中になり、優良企業に見向きもしないうちに、こうした圧倒的なバリュー株(割安株)を静かに仕込んでおくこと。これこそが、長期的に資産を形成するための賢い「逆張り戦略」なのです。
でも、もっと下がる可能性もあるので、ご自身で見極めてくださいね💕
第3章:世界の資金を吸い込むブラックホール!SpaceXの上場と流動性シフト
日本株の強さの裏側で、多くの投資家を悩ませているのが金(ゴールド)の急落です。1グラム3万円のピークから一気に23,000円台まで下落した理由について、「金の価値がなくなってしまったのではないか」と不安を覚える方も多いでしょう。
しかし、断言します。金の絶対的な価値が毀損したわけでは決してありません。
この歴史的な金価格の急落を引き起こした真犯人は、海の向こうの米国資本市場に突如として現れた「超巨大なブラックホール」です。それは、2026年6月12日に新規株式公開(IPO)を果たした、イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業「SpaceX」です。
このIPOは、世界の金融史に残る桁外れの規模でした。1株135ドルで上場した同社は、市場から約857億ドル(約13.7兆円)もの巨額資金をたった一社で、しかも一瞬にして吸収したのです。上場初日から株価は急騰を続け、時価総額は一時2.97兆ドルに達しました。
これは、AmazonやMicrosoftといった世界のトップテクノロジー企業と肩を並べ、一時的に凌駕するほどの異常事態です。
財務データだけを見れば、売上高倍率(PSR)は100倍を超えており、表面上は異常なまでの超割高です。しかし、市場がこれほどの資金を投じたのには理由があります。彼らには人工知能部門である「xAI」の吸収合併という、巨大な成長の大義名分があったからです。
SpaceXがメンフィスに保有する巨大データセンター「Colossus 1」では、22万基ものNvidia製GPUが稼働しており、AnthropicやGoogleに対して天文学的な規模の計算リソースを提供しています。さらに上場直後には、世界中のエンジニアが注目するAIコーディングツール「Cursor」を開発するAnysphere社を600億ドルという巨額で買収すると発表し、AIインフラの覇権を握る姿勢を鮮明にしました。
第1章で解説したフジクラの電線・光ファイバー特需も、結局はこのSpaceXに代表される巨大AIインフラが世界中で爆発的に建設されているという事実と直結しているのです。
そして、ここからが「金下落のメカニズム」の核心部分です。
SpaceXという数兆ドル規模の超巨大な魅力を持つグロース株が市場に誕生したことで、世界中の機関投資家や個人投資家は、自身のポートフォリオの抜本的な再編(リバランス)を強烈に迫られました。
「SpaceX株を買いたい」「関連するNvidia株をもっと買いたい」と思っても、手元に投資するための現金がなければ買うことはできません。
では、投資家たちは現金を作るために何を売却したのでしょうか。
それこそが、利息を生まない一方で手元で大きく値上がりしていた安全資産、すなわち「金(ゴールド)」だったのです。
世界中の莫大な資金が、安全資産から超ド級のリスク資産へと雪崩を打って大移動を起こしました。
つまり、金という物質そのものの価値が落ちたのではなく、魅力的な巨大株式が出現したことによって一時的に需給のバランスが崩れ、換金売りによって価格が力ずくで押し下げられただけなのです。
第4章:ゴールド市場の真実!23,000円への急落で「損切り」は必要なのか?
金の価格が下がった理由が価値の毀損ではなく「流動性のシフト」であることが理解できれば、今後の対応は明確になります。
現在、「1グラム3万円突破」というニュースを見て高値で金を購入してしまい、含み損を抱えてパニックになっている方が多く見受けられます。「これ以上損失が膨らむ前に損切り(ロスカット)して逃げたほうがいいのではないか」という相談も絶えません。
しかし、私の結論は明確です。
金投資において、現在の局面での損切りは全くの不合理です。
FX(外国為替証拠金取引)や株式の短期トレードであれば、「傷口を広げる前に素早くロスカットする」という鉄則があります。しかし、それはあくまで短期的な差益を狙う投機の手法です。金投資の本来の目的は、短期的な売買益を得ることではなく、
長期間にわたる「資産価値の保全」にあります。
思い出してみてください。2020年のコロナショック当時、国内の金小売価格は1グラムあたり6,000円前後に過ぎませんでした。
それがわずか数年の間に最大5倍に跳ね上がったのです。
これは、金が優れた投機対象だから上がったのではありません。金が「法定通貨(紙幣)の価値下落を映し出す鏡」として機能したからです。
私たちが日常的に使用している日本円や米ドルといった法定通貨は、中央銀行の意向次第でいくらでも印刷し、市場に供給することができます。世界的な政府の債務膨張に伴い、お金の供給量が増えれば増えるほど、紙幣の相対的な購買力は長期的に下がり続けるという不可逆的な運命にあります。これがインフレーション(物価上昇)の正体です。
それに対して、地球上に存在する金の量には絶対的な物理的限界があります。錬金術が存在しない以上、人間が勝手に金の量を増やすことはできません。
したがって、インフレが進んで貨幣価値が下がれば下がるほど、実物資産である金の価格は名目上、必ず上昇していくのです。長期的なファンダメンタルズは、現在も何一つ壊れていません。
専門機関による今後の長期予測シナリオを見ても、適度なマイルドインフレが続く前提であれば、将来的には30,000円台で安定的に推移するとされています。さらに、高インフレシナリオや地政学リスクの顕在化を織り込んだ場合、2030年までに「1グラム50,000円時代」に突入するという大胆な予測すら出ているのが現実です。
供給面から見ても金の価格は下支えされています。地球上の採掘しやすい浅い鉱脈は既に枯渇しつつあり、より深い地下層から金を掘り出すための採掘コスト(原価)は年々高騰を続けています。生産原価が上がれば、当然ながら市場で販売される底値も切り上がらざるを得ません。
そしてもう一つ、見逃してはならないのが「中央銀行による爆買い」です。
現在、中国やロシアをはじめとする新興国の中央銀行は、米国経済への依存や経済制裁リスクを回避するための「脱ドル化」を国家戦略として進めています。その一環として、米国債を売却し、外貨準備として金をものすごい勢いで買い支えているのです。
このような国家レベルの公的機関による強力な「実需の買い」が存在し続ける以上、金価格がかつてのような数千円台まで暴落することは構造的に極めて考えにくいと言えます。
したがって、一時的な流動性シフトによって23,000円に下がったからといって狼狽売りすることは、長期的なインフレヘッジから考えるともったいないですね。
第5章:金投資のメリット・デメリット完全解剖と、最強の「逆張り」アセットアロケーション
損切りをする必要がないどころか、マクロ経済の構造を理解すれば、現在の大幅な調整局面はむしろ「安く買える絶好のバーゲンセール」に見えてくるはずです。
しかし、投資に絶対はありません。冷静な判断を下すために、他の金融資産と比較した際の金投資のメリットとデメリットを改めて整理しておきましょう。
【金投資のメリット】
最強のインフレヘッジ能力:
モノの値段が上がり、現金の価値が目減りしていくインフレ局面において、実物資産である金は自動的にその取引価格を上昇させます。購買力を維持するための最強の盾となります。無価値化リスクがゼロ:
企業が倒産すれば紙切れになってしまう株式や社債とは異なり、金はそれ自体が独立した価値を持つ実物資産です。特定の国家や企業への信用に依存していないため、価値がゼロになることは理論上あり得ません。戦争や金融危機時に光る「有事の金」としての絶対的信頼性があります。ポートフォリオの分散効果:
金は、株式や債券といった伝統的なペーパーアセットとは異なる値動き(逆相関の動き)をする傾向があります。今回のように株が暴騰している時は調整し、逆に株価が大暴落するようなショック時にはクッションの役割を果たし、ポートフォリオ全体の損失を緩和してくれます。
【金投資のデメリット(弱みとリスク)】
インカムゲインを一切生み出さない:
金投資最大の弱点は、持っているだけで定期的な収入を生まないことです。株式の配当金や債券の利息のような「インカムゲイン」がありません。あくまで値上がり益(キャピタルゲイン)のみを狙う無機物であるため、配当を再投資して複利で雪だるま式に資産を増やす運用には不向きです。為替リスクが存在する:
金の国際価格は米ドル建てで取引されています。そのため、日本国内での取引価格は「ドル建て価格×ドル円為替レート」で決まります。国際価格が一定でも、急激な「円高」が進行した場合は、円建ての評価額が目減りしてしまうリスクを常に抱えています。コスト(現物保管と手数料)の負担:
現物の地金を購入・売却する際のスプレッド(実質的な手数料)は、ネット証券の株式売買手数料よりも割高に設定されています。また、現物を安全に保管するための貸金庫代や、投資信託等を利用する場合の信託報酬など、保有中の維持コストが発生します。
こうした「利息がつかない」「為替の影響を直接受ける」といったデメリットをしっかりと理解した上で、ポートフォリオに組み込むことが重要です。だからこそ、自分の総資産のすべてを金に集中させるのではなく、全体を通した戦略的なアセットアロケーション(資産配分)が必須となります。
【結論:次世代を勝ち抜く最強の投資戦略】
今回のすべての市場分析を統合すると、私たちが今取るべき明確かつ最強の投資戦略が浮かび上がってきます。それは、「攻めの株式」と「守りの金」を柔軟にコントロールすることです。
第一に、日経平均73,000円到達やSpaceX上場に湧く現在の株式市場の熱狂は、AIという次世代インフラに対する正当な評価に基づくものです。
だからこそ、私が実践したフジクラの取引のように、
「大衆が群がる前の割安な時期に仕込み、過熱局面で冷静に一部を利益確定し、暴落した押し目で再び買い直す」
という立ち回りが理想の「攻め」となります。
また、市場全体から出遅れているトヨタ自動車のような超優良バリュー株への資金配分も、極めて高い理論的優位性を持っています。
そして第二に、その狂騒の株式市場の裏側で、流動性シフトによって理不尽に売られ、大幅なディスカウント状態にある「守り」の資産に目を向けることです。誰もが見向きもしなくなっている、あるいは一時的な需給悪化で安く放置されている今こそ、1グラム23,000円水準まで下がっているゴールドの「本質的価値」を見極めて買う絶好のタイミングです。
勘の鋭い方ならお気づきでしょう。この「安く放置されている時に買う」というアプローチは、私がフジクラを暴落時の4,377円で買い直した論理構造と全く同じです。
狂騒の株式市場で得た利益の一部を、欲望に任せて再投資し続けるのではなく、冷静に利益を確定させる。そして、その資金を静かに底を打っているゴールドや割安株に移行させていく。
そうすれば、レバレッジをかけたりリスクの高い取引をしなくても資産は増えていきます。
ぜひご自身の判断で投資をしてみてください。
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